FX業者のロスカットルールと追加証拠金制度を一覧比較!
本記事はFXサプリ編集部が独自に制作しています。各FX業者や証券会社はコンテンツ制作に一切関与していません。【PR】本記事は広告を含みます。
FX業者による自動決済でリスクを限定するロスカット。強制決済となるロスカット率や、ロスカットに伴うルールはFX業者によって様々です。
こちらのページでは、各FX業者のロスカット率やロスカット手数料、追加証拠金制度(マージンコール)について一覧表で比較しています。
水上 紀行
バーニャ マーケット フォーカスト代表
1978年三和銀行(現、三菱UFJ銀行)入行。1983年よりロンドン、東京、ニューヨークで為替ディーラーとして活躍。 東京外国為替市場で「三和の水上」の名を轟かす。1995年より在日外銀において為替ディーラー及び外国為替部長として要職を経て、現在、外国為替ストラテジストとして広く活躍中。長年の経験と知識に基づく精度の高い相場予測には定評がある。著書はこちら
Twitter:@mizukamistaff
ブログ:Banya Market Forecast オフィシャルサイト
メルマガ:水上紀行FXマーケットフォーカスト
ロスカットとは?
ロスカットとは、損失(含み損)が一定の水準を超えた際に、FX会社によって強制的に決済される仕組みです。
ロスカットがないと、為替レートが思惑とは反対方向に進み続けた場合、預け入れた証拠金の全てを失ってしまうことになります。
ロスカットは投資家の資産を保護するという観点から、FX会社に義務付けられている制度です。
参照:金融先物取引業協会 「ロスカット・ルールの整備・遵守の義務付け」
FX会社のロスカット条件を一覧比較
ロスカットはFX会社に義務付けられている制度ですが、ロスカットが発動する証拠金維持率はFX会社によって異なります。
また、ほとんどのFX会社ではロスカットが発動すると全てのポジションが決済されますが、一部のFX会社は損失の大きいポジションから順に決済するなど、ロスカット決済の挙動が異なります。
以下の各社ロスカットルールの一覧表を参考に、取引スタイルに最適なFX会社を見つけましょう。
※マネーパートナーズはパートナーズFXにおけるロスカット条件です。
※インヴァスト証券はトライオートFXにおけるロスカット条件です。
※アイネット証券はループイフダンにおけるロスカット条件です。
※FX会社によっては証拠金維持率を有効比率と呼称することもありますが、ここでは証拠金維持率で統一しています。
証拠金維持率とは?計算方法を解説
証拠金維持率とは、時価評価総額に対する必要証拠金の割合のことで、以下の計算式で求めることができます。
時価評価総額 ÷ 必要証拠金 × 100 = 証拠金維持率
預け入れた証拠金に含み損益を加算したもので、有効証拠金とも言います。
【例】10万円を入金して、1万円の含み損(マイナス)になると時価評価総額は9万円
必要証拠金とは、取引をするために最低限必要な金額のことです。レート×取引単位÷25で算出します。(レバレッジ25倍の場合)
【例】1ドル=150円で1万通貨を取引する場合…
150円×10,000通貨単位÷25=6万円
上記の例の場合、時価評価総額が9万円、必要証拠金が6万円となるので、証拠金維持率は9万円÷6万円×100=150%となります。
レートが予測とは反対方向に動いてさらに損失が膨らむと、時価評価総額が目減りするにつれて、証拠金維持率も低下していきます。
証拠金維持率が各FX会社の定めるロスカット条件を満たすと、強制的に決済されるロスカットが発生します。
追加証拠金制度(マージンコール)を一覧比較!
ロスカットの条件についてFX会社を比較するのであれば、追加証拠金制度についても比較しておきましょう。
追加証拠金制度とは、一定の証拠金維持率(ほとんどのFX会社では100%)を下回った際に、不足金を決められた時刻までに入金しなければならない制度です。
追加証拠金制度はマージンコールとも呼ばれますが、「マージン=証拠金」「コール=要求」を意味しています。
ロスカットは証拠金維持率が一定の基準を下回ると即座に強制決済となるのに対して、マージンコールが発生した場合は、決められた時刻までに追加証拠金を入金するなどして、証拠金維持率を回復させる時間的猶予が与えられます。
なお、追加証拠金制度については導入しているFX会社と導入していないFX会社があります。
※マネーパートナーズはパートナーズFXにおける追加証拠金制度で、ロスカット率を80%以下に設定した場合。
※アイネット証券はループイフダンにおける追加証拠金制度です。
追加証拠金が発生するのは、ほとんどのFX会社では証拠金維持率が100%を下回った際です。
従って、ロスカット条件が証拠金維持率100%のFX会社は、追加証拠金制度を設けていないのが一般的です。
追加証拠金制度を比較する際に注目したいポイントは、いつまでに証拠金維持率を回復させる必要があるのかなど、強制決済に伴うルールです。
ロスカットルールと合わせて追加証拠金制度についても比較しておきましょう。
ロスカット条件の比較ポイントと選び方
ロスカット率やロスカットに伴う条件は、FX会社によってそれぞれ異なります。
適切なロスカット率はどのくらいなのか?ロスカット率の選び方について解説していきます。
ロスカット率は高いほど早くロスカットされて、低いほどロスカットされにくくなります。
例として、ロスカット率100%のFX会社と、ロスカット率50%のFX会社で、それぞれのメリットとデメリットを比較してみます。
ロスカット率100% | ロスカット率50% | |
---|---|---|
メリット | ロスカット時の損失が少ない |
ロスカットされにくい |
デメリット |
ロスカットされやすい |
ロスカット時の損失が大きい |
ロスカット率が50%のFX会社では、少ない資金で取引がしやすいため資金効率が良くなりますが、ロスカットされた際にはある程度損失が大きくなります。
反対に、ロスカット率が100%のFX会社では、早いタイミングでの強制ロスカットにより資金は残りやすくなりますが、早めのロスカットにより相場が回復するチャンスを逃してしまう可能性もあります。
ロスカット率がどのくらいが適切なのかは、トレードスタイルやFX経験値によっても違ってきます。
スキャルピングのようにポジションを持つ時間が短いため、ロスカットされにくい投資スタイルであれば、資金効率を上げるためにロスカット率が低いFX会社が好まれる傾向があります。
ロスカット率50%のFX会社では、高いレバレッジをかけて少ない資金で取引しやすいので、スキャルピングやデイトレードのような投資スタイルとは相性が良いと言えます。
一方、FX初心者の方やFXの経験が浅い方であれば、早い段階で損失を限定するためにも、ロスカット水準が高いFX会社を選ぶのがおすすめです。
FXで勝つためには損切りができることが重要なポイントになりますが、FX初心者の方は相場が回復する期待から、損切りが遅れてしまいがちです。
損切りがなかなかできないうちは、ロスカット率が高いFX会社を選ぶことでリスクを限定しておくのも一つの策です。
ロスカット率が高いとロスカットされやすくなるものの、ロスカットされた時でも比較的資金が多く残るのがメリットです。
言い換えると、ロスカットが早く執行されるため、損失が拡大するのを早めに防いでくれることになります。
ロスカット率やロスカット条件でFX会社を比較する際には、取引スタイルやリスク許容度を考慮した上で比較するようにしましょう。
ロスカットの注意点
FXを始める前には、ロスカットの注意点や特性をしっかりと理解しておくことが大切です。
以下に、ロスカットの注意点について順に解説していきます。
ロスカットは損失が確定する
ロスカットは強制的に決済することで、投資家の損失を限定する仕組みです。
ロスカットがあることで、原則的には最低限の資金が残されることになります。
しかしその一方で、ロスカットされるということは、相場が回復するのを待つことなく、損失が確定するということになります。
ロスカットは間に合わないことも
急激な相場変動時には、ロスカット水準を下回ってロスカットされる可能性があります。
為替相場が大きく変動する際には多くのトレーダーが取引をしているため、FX会社のサーバに負荷がかかり、システムによるロスカットが遅れる可能性があります。
リーマンショックのような為替相場が急騰急落するタイミングでは、ロスカットが間に合わない可能性もあります。
ロスカット水準を大幅に下回ってロスカットが執行されると、預けた証拠金以上の損失が発生する可能性もあるということも覚えておきましょう。
ロスカットされない資金管理が大事
ロスカットはFX会社のシステムによる強制的な決済であることから、トレーダーが意図していない取引であることがほとんどです。
つまり、ロスカットされるということは、トレーダーのシナリオとは異なる取引となったことを意味します。
FXでは、新規注文(エントリー)から、利益または損失確定の決済まで、シナリオ通りに進めることが大切です。
FXで資産を増やすためには、ロスカットされない計画性のある取引が大切です。
多くのトレーダーはロスカットを回避している
ロスカットされない計画性のある取引は、どの程度のトレーダーが実践できているのでしょうか。
ここで金融先物取引業協会が行ったアンケート調査を参考にしてみます。
「年間のロスカット回数は?」の設問に対する回答は以下の通りです。
最も多かった回答は1回未満(何年かに1回程度)で、全体の52.4%を占めました。
なお、こちらのアンケートの対象者は20代〜70代の男女1000人で、FXの取引経験年数の分類は以下のようになります。
上記の通り、回答者の44.9%はFXの取引経験が5年以上です。
ロスカットを避ける方法
ロスカットを避けるためにはどのような点に気をつければ良いのでしょうか。続いて、ロスカットの回避策について解説していきます。
証拠金を追加入金する
証拠金維持率が低下してロスカットが近づいてきたタイミングで、証拠金を追加入金すると証拠金維持率が回復し、ロスカットを回避することができます。
ただし、その後も不利な方向へ相場が動き続けると、最終的にはロスカットされてしまいます。その場合、追加入金をしたことで損失はさらに拡大することになります。
追加入金でロスカットを回避するのであれば、その後に相場が回復するという根拠が必要です。
ロスカットを一時的に回避するために、やみくもに資金を投入するのはおすすめできません。
ポジションを一部決済する
ロスカットが発動されると、多くのFX会社では全てのポジションが一括決済となります。
ロスカットされる前にポジションを一部決済することで、証拠金維持率を引き上げてロスカットを回避することができます。
例えば、米ドル円の買いポジションを5万通貨保有している場合であれば、そのうちの2万通貨を売り決済することで、証拠金維持率を引き上げることができます。
低いレバレッジで取引をする
FXでは、レバレッジを活用することで、証拠金の最大25倍もの取引を行うことができます。
ただし、高いレバレッジでの取引は、証拠金維持率が低い取引となり、ロスカットされやすいので注意が必要です。
例として、米ドル円が1ドル=150円の時、1万通貨を取引する場合の証拠金とレバレッジは以下のようになります。
150円×1万ドル=150万円
150万円÷25(レバレッジ )=6万円
預入証拠金6万円÷ 必要証拠金6万円=証拠金維持率100%
預入証拠金を15万円に増やすと、15万円÷6万円で証拠金維持率は250%となり、ロスカットまで余裕を保つことができます。
150円×1万ドル=150万円
150万円÷10(レバレッジ )=15万円
預入証拠金15万円÷ 必要証拠金6万円=証拠金維持率250%
ロスカットを避けるためには、取引量に対する証拠金を十分に用意して、低レバレッジの取引を心掛けることが大切です。
ストップロスを入れておく
ストップロスとは、為替レートが不利な方向に動いて損失が発生してきた時に、それ以上の損失を避けるために決済する注文方法です。
ロスカットはFX会社による強制決済であることに対して、ストップロスは自分で設定した損失確定の注文で、損切りとも呼ばれています。
新規注文と同時にストップロスも注文しておくことで、ロスカットよりも少ない損失で、計画的に損切りをすることができます。
新規注文の際にあらかじめ、どの程度の損失までなら許容できるのか?どこまで相場が逆方向に進んだら手仕舞うのか?損切りのポイントを考えておくことが大切です。
ロスカットではなくストップロスで損失を確定することで、資金状況を常に考慮しながらFX取引を行うことができます。
ロスカット計算をやってみよう!
新規注文を出す前には、どの程度の為替変動なら耐えられるのか、ロスカットまでの値幅をあらかじめ把握しておくことが大切です。
ここからは、実際のトレードを想定して、ロスカットが発生する条件をシミュレーションしてみましょう。
通貨ペア:米ドル円
為替レート:1ドル=150円
取引数量:1万通貨
預入証拠金:12万円
ロスカット:証拠金維持率100%以下
ここで、前述した証拠金維持率の計算式をおさらいしてみましょう。
時価評価総額 ÷ 必要証拠金 × 100 = 証拠金維持率
為替損益が0円であれば、時価評価総額は証拠金の12万円となります。つまり、証拠金維持率は以下のような計算になります。
時価評価総額 12万円÷ 必要証拠金 6万円× 100 = 200%
上記の計算式から、取引開始時の証拠金維持率は200%となります。
それでは、ここから為替相場の下落が進んでいくと、証拠金維持率がどのように低下して、為替レートがいくらに達するとロスカットが執行されるのでしょう。以下の表で確認してみましょう。
為替レート | 損失額 | 時価評価額 | 証拠金維持率 |
---|---|---|---|
150円 | 0円 | 12万円 | 200% |
148円 | 2万円 | 10万円 | 167% |
146円 | 4万円 | 8万円 | 133% |
144円 | 6万円 | 6万円 | 100% |
※スワップポイントとスプレッドは考慮していません。
※証拠金維持率について小数点以下は四捨五入して表示しています。
上記シミュレーションの取引条件では、為替レートが6円下落して、1ドル=144円に達した時点でロスカットが執行されます。
リーマンショックが起こった2008年には、1日に7円以上の変動幅を記録していますが、米ドル円の為替レートが1日で6円以上動くことは稀です。
金融危機やテロのような事例を除けば、デイトレードであればロスカットの可能性は低いと考えることができます。
取引する通貨ペアが、過去にどのくらいの期間でどの程度変動したのかを調べた上で、証拠金をどのくらい預け入れておけばロスカットされにくいのかを予測するようにしましょう。
ロスカット計算ツールを活用しよう!
FX会社によっては、ロスカットレートを自動計算してくれるツールを提供しています。
ロスカット計算ツールを利用すると、前述のような計算をする必要はなく、随時ロスカットレートを割り出すことができます。以下に、便利でおすすめなロスカット計算ツールを二つご紹介します。
ヒロセ通商 「FX計算ツール」
ヒロセ通商が提供しているFX計算ツールでは、証拠金額や取引数量、為替レートを入力すると、ロスカットレートやロスカットまでの値幅を自動的に算出してくれます。
また、レバレッジ〇〇倍にするにはLot数をいくらに設定すれば良いのかなど、色々な角度から計算することができます。
ただし、複数通貨ペアのロスカットシミュレーションはできません。
ヒロセ通商ではロスカット計算ツールの他にも、各デバイスに最適化された取引ツールや、過去の取引結果をグラフ化してくれるツール、自動テクニカル分析ツールなどを利用することができます。
豊富なツールやサービスで人気のFX会社の一つです。
米ドル円 | ユーロ円 | ポンド円 | 豪ドル円 |
---|---|---|---|
0.2銭 | 0.4銭 | 0.9銭 | 0.5銭 |
ユーロドル | 南アランド円 | メキシコペソ円 | スワップ |
0.3pips | 0.4銭 | 0.2銭 | ◎ |
取引単位 | 通貨ペア | 初心者 | 電話 |
1,000通貨 | 54種類 | ○ | 24時間 |
口座開設 | 取引手数料 | デモ取引 | キャンペーン |
無料 | 無料 | 可 | 口座開設で最大5万円 |
※スプレッドは原則固定(例外あり)
外為どっとコム 「ロスカットシミュレータ」
外為どっとコムでは、ロスカット計算ツールの「ロスカットシミュレータ」を提供しています。
入金額や取引数量、為替レートを入力すると、ロスカットレートやロスカットまでの値幅を算出してくれます。また、最大取引可能数量や実効レバレッジも合わせて算出してくれます。
ただし、複数通貨ペアのロスカットシミュレーションには対応していません。
外為どっとコムは業界最狭水準のスプレッドで、コストを抑えて取引できるFX会社です。
セミナーや為替アナリストのレポートも充実しているので、FXのスキルアップにもおすすめのFX会社です。
米ドル円 | ユーロ円 | ポンド円 | 豪ドル円 |
---|---|---|---|
0.2銭 | 0.4銭 | 0.9銭 | 0.5銭 |
ユーロドル | 南アランド円 | メキシコペソ円 | スワップ |
0.3pips | 0.3銭 | 0.1銭 | ○ |
取引単位 | 通貨ペア | 初心者 | 電話 |
1,000通貨〜 | 30種類 | ◎ | 24時間 |
口座開設 | 取引手数料 | デモ取引 | キャンペーン |
無料 | 無料 | 可 | 口座開設で最大100万円 |
※スプレッドは原則固定(例外あり) キャンペーンスプレッドを含む。詳細は公式HPをご確認ください。 スプレッド調査日:2025/1/16
※キャッシュバックキャンペーン適用期間:口座開設月から翌月末まで
※ロシアルーブル/円のみ10,000通貨
ロスカットに関するQ&A
取引をするために最低限必要な証拠金です。
有効証拠金とは、まだ確定していない損益(含み益または含み損)を加えた証拠金残高です。含み益が増えれば有効証拠金は増え、含み損があると有効証拠金は減ります。仮にポジションを保有していない場合であれば、預入証拠金=有効証拠金となります。本記事では、有効証拠金を時価評価総額と表記しています。
極端に急激な相場変動が起こるとロスカットが間に合わず、預けた証拠金以上の損失となる可能性もあります。